2016年1月31日日曜日

Windows 8/8.1/10 ファイルのコピーでなぜか GPU に負荷がかかる!

今日は豆知識的な話題です。

Windows 8 以降でファイルのコピー中には、パーセンテージだけの表示がデフォルトです。


残りのファイル数・容量・現在コピー中のファイル・グラフを表示することもできます。

ただ、これの表示は意外にも GPU や CPU への負荷が重いようです。GPU-Z で確認すると、先ほどのパーセンテージのみの表示の場合と比べて GPU 負荷で 1 パーセントほどの差が認められます。



だから何?

たかが 1 パーセントと思われるかもしれませんが、アイドル状態の時と、GPU 負荷が常時わずかでもあるのでは、結構消費電力では違ってくるものです。少なくとも、長時間放置すると温度では数度の差が出ます。

また、当方の使用している GPU は Quadro K2200M という比較的高性能な GPU ですので、ローエンド CPU の内臓グラフィックスなどではより負荷の割合は重いと思われます。もちろん、ローエンドならその分消費電力も少なくなりますが。

ですので、バッテリー駆動で長時間コピー・移動している際には、詳細表示した後には隠しておいたほうがいいでしょう。

2016年1月30日土曜日

東芝 MQ01ABB200 という 2 TB HDD について【大容量な割には安いけど・・・訳あり?】

MQ01ABB200 という HDD は 2 TB という大容量ながら実売価格が 10000 円強と、容量の割に安い値段が魅力的な製品です。
http://kakaku.com/item/K0000576708/

しかし、厚みが 1.5 mm もあります。

一般的なノート PC に搭載できる厚みはほとんどの場合、9.5 mm までですので、ほとんどのプラットフォームに内蔵できないサイズです。

ですので、ハードディスクケースか、あるいはデスクトップ PC の 3.5 型 HDD のスペースに搭載ということになります。

とはいえ、インターフェイスは普通の SATA なわけですから、スペースに問題がなければ使うことはできます。

ただ、東芝の公式サイト
からリンクされているカタログ(ストレージプロダクツ 内蔵用SSD/SSHD/HDD (PDF:2933KB) 2015年09月)でこのディスクを調べてみると・・・
Large Capacity HDD for External Storage
ポータブルハードディスク向けの、大容量HDDです。
つまりこの MQ01ABB*** シリーズの用途としては、ポータブルハードディスク用のハードディスク?ということになっていますので、メインのストレージとして使うのは向かないかもしれません。

メーカーではないのではっきりしてことはわかりませんが、用途外では何らかの難がある可能性も否定できないので、常用するなら普通のノート PC 用を買っといたほうが無難な気がします。


2016年1月29日金曜日

SSHD の信頼性ってどうなんだろう?

SSHD を構成する部分のうち、HDD の部分には書き換え回数の制限はないそうです。一方、SSD の部分であるフラッシュメモリーには書き換えごとに劣化していく以上、寿命があるそうです。

SSHD も含めて、SSD ではフラッシュメモリー全体が均一に使用されるような制御が行われるため、大容量なほど見かけの寿命が延びるそうです。

ということは、たったの 8 GB 程度の容量しかない SSHD の SSD 部分の劣化は心配になります。

もちろん、フラッシュメモリーの不良部分は検出・代替処理が行われるようになっている、と東芝のサイトに記載されていますが、それでも使っていれば劣化するわけで、どれぐらいで寿命を迎えるのかというのが気になります。

東芝の SSHD では SSD はあくまでもキャッシュで、すべてのデータが存在しているということですが、SSD が寿命になったら HDD としても使えなくなるのか?
その状態でも、HDD 上のデータにはアクセスできるのか?
など、東芝のサイトにはあんまり深く踏み込んだ記述はなく、信頼性に疑問符が付きます。

耐久性に関する解説は東芝のサイトにはあんまりないのですが、Seagate のサイトにありましたのでリンクを張っておきます。
http://www.seagate.com/jp/ja/solutions/it-professionals/drive-reliability/
http://www.epageflip.net/t/46279-fast-storage-issue-2-english/33

東芝の公式サイトにある東芝レビューにもちょっとだけあります。
大容量化と高速なデータアクセス性能を両立させるハイブリッドドライブ
http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2012/09/67_09pdf/f03.pdf

ちなみに今回買ったのは MQ02ABD100H というモデルですが、MQ01ABD100H というひとつ前の SSHD は、アマゾンのレビューではかなり評判が悪いようです。

パフォーマンスはいいが、数か月で壊れたという書き込み目立ち、気になります。所詮アマゾンのレビューなのでレビューとしての信頼性も 0 ではありますが、どんな風に壊れたのか興味があります。
http://www.amazon.com/Toshiba-MQ01ABD100H-Hybrid-hard-drive/dp/B00HJKPN9M

2016年1月28日木曜日

東芝の *SSHD* MQ02ABD100H を買ってみた

昔やっていたヤフオクのキャンペーンの関係で、ヤフーの期間限定ポイントがあったのと、ヤフープレミアムの解約引き留めポイントがもらえることになったので、ヤフーショッピングで内蔵用ストレージを買ってみました。

今使っているハードディスクは日立の 7K750 500 GB で遅いディスクではありません。OS が立ち上がってしまってからの動作には不満はないのですが、500 GB という容量がいっぱいになりつつあるのと、Windows 10 は不具合が多く再起動する機会も多いので起動時間に不満がありました。

いろいろ悩んだのですが、買ったのは東芝の SSHD MQ02ABD100H というモデルです。


個人的な決め手としては、2015 年に発表されたばかりの比較的新しいモデルだということもあります。HDD には、2010 年ごろの古い設計のモデルも結構ありますので。
http://toshiba.semicon-storage.com/jp/company/news/news-topics/2015/01/04_storage-20150106-1.html


普通の HDD と見た目はほとんど同じです。



SSHD とは?

要するに SSD と HDD のハイブリッドのような製品です。

約 8 GB のフラッシュメモリーをキャッシュ用として搭載しています。HDD のどこのデータをキャッシュするかなど、すべて SSHD が判断します。逆に言うと、自分でこれはよく使うからキャッシュする、とかいうことはできません。

OS の起動に毎回必要なデータなど、使用頻度の高いデータがキャッシュされるようにファームウェアが自己学習して制御してくれるようです。

フラッシュメモリーは不揮発性で電源を落としてもデータがある程度の期間は保持されるわけなので、起動が早くなることは期待できます。

ちなみにフラッシュメモリーには一部の HDD 上に存在するデータがキャッシュされるというだけで、すべてのデーターは基本的に HDD 上に存在しているそうです。

フラッシュメモリーは書き換えごとに劣化していくわけですが、それについても配慮されているそうです。

OS からは普通の 2.5 型フォームファクターの HDD のように扱えます。 

詳しくは、東芝の公式サイトを見てください。

仕様

MQ02ABD100HMQ02ABF050H
基本仕様
インタフェースSerial ATA 3.0 / ATA-8
インタフェーススピード6.0 Gbit/s , 3.0 Gbit/s , 1.5 Gbit/s
記憶容量1 TB500 GB
論理データブロック長 ( HOST )512 B
論理データブロック長 ( DISK )4,096 B
環境対応RoHS Compatible
NAND型フラッシュメモリタイプMLC
NAND型フラッシュメモリサイズ8 GiB
動作仕様
バッファサイズ64 MiB
回転数5,400 rpm
平均回転待ち時間5.56 ms
エラーレート1 per 1014 bits read
電源要件
電圧5 V ±5 %
消費電力 ( Read / Write )3.30 / 3.00 W Typ.
消費電力 ( Low Power Idle )0.75 W Typ.
エネルギー消費効率 / 区分名0.000750 / H0.00150 / E
寸法
高さ9.5 mm7.0 mm
69.85 mm
長さ100.0 mm
重量117 g Max.92 g Max.
環境特性
温度 ( 動作時 )0 to 60 ℃
温度 ( 非動作時 )-40 to 65 ℃
湿度 ( 動作時 )8 to 90 % R.H.
湿度 ( 非動作時 )8 to 90 % R.H.
高度 ( 動作時 )-300 to 3,000 m
高度 ( 非動作時 )-300 to 12,000 m
振動 ( 動作時 )9.8 m/s2 { 1.0 G } ( 5 to 500 Hz )
振動 ( 非動作時 )49 m/s2 { 5.0 G } ( 15 to 500 Hz )
衝撃 ( 動作時 )3,920 m/s2 { 400 G } ( 2 ms half sine wave )
衝撃 ( 非動作時 )8,820 m/s2 { 900 G } (1 ms half sine wave )
騒音
アイドル 25 dB19 dB
シーク 25 dB21 dB

使用した感想

この際なので、Windows 10 は UEFI モードでクリーンインストールしておくことにしました。

さすがにまだ何も入れていないので起動は明らかに速いです。ハイエンドの SSD 程ではないですが、並みの mSATA SSD に近いといっていいでしょう。電源ボタンを押してから 30 秒かかりません。ただ、それ以外のソフトのインストールなどは特別早いわけではありません。何度か再起動していると起動が早くなるようです。

今のところベンチマークなどは行っていません。


2016年1月27日水曜日

NVIDIA ドライバーをインストールしようとすると再起動が必要と出る

NVIDIA のディスプレイ ドライバーをインストールしようとすると、再起動が必要と表示されてインストールできない問題についてです。



レジストリ エディターでレジストリの
NVIDIA_RebootNeeded
を削除すればいいだけのようです。

レジストリ エディターは regedit.exe というプログラムです。スタートメニューをクリックして、regedit と入力すれば出てきます。

RebootNeeded と入力し検索するとすぐに見つかり、ごっそり削除したところ解決しました。

当たり前ですが自己責任でお願いします。ちなみに当方の環境は Windows 10 64 bit です。

ちなみにこれは NVIDIA ドライバーのインストール・アンインストールが途中で失敗してしまった後だったので、たぶんそれが原因だと思います。

参考
http://www.eightforums.com/graphic-cards/18902-nvidia-installer-issue.html

2016年1月26日火曜日

とうとうブログが AdSense に承認された!

2015 年 11 月 26 日から続けてきたこのブログ、収益タブには長らく「現在、あなたのブログには AdSense に承認されていません。」と表示され続けてきました。

しかし、昨日収益タブを見たらアドセンスに登録のボタンが押せるようになっていたので、登録しておきました。


登録作業はめちゃくちゃ簡単で、単にクリックして進んでいくだけで、ログインしている Google アカウントと関連付けされて完了です。

まあ承認されるまで長かったです。ちなみに、開設日より本日まで毎日更新しています。記事数は、この記事を含めると 62 件になります。

というわけなので、自分の場合は大体これぐらいで AdSense に承認されました、という話でした。規準は非公開のようですから、皆様にも当てはまるかどうかは不明です。


2016年1月25日月曜日

Quadro K2200M SpecViewperf 12.0

SpecViewperf 12.0 の結果は以下のようなものでした。

Viewperf 12.0

ViewsetCompositeWindow
44.251900 x1060
38.351900 x1060
0.801900 x1060
30.481900 x1060
14.791900 x1060
22.021900 x1060
32.201900 x1060
63.471900 x1060







Graphics Hardware Configuration
Graphics AcceleratorNVIDIA Quadro K2200M
Graphics Driver Version10.18.13.5456
Display Resolution1920x1080 @ 32 bpp
Display Size/TechnologyN/A
Display Refresh Rate59 Hz
Display NameN/A Hz
System Hardware Configuration
ManufacturerHewlett-Packard
ModelHP EliteBook 8570w
Processor TypeIntel(R) Core(TM) i7-3630QM CPU @ 2.40GHz
Processor Base Frequency2401 MHz
Number of Populated Processor Sockets1
Number of Physical Cores per Processor Socket4
Number of Logical Cores per Processor Socket8
Number of Processor Threads per core2
L1 Cache per Socket (KB)64
L2 Cache per Socket (KB)256
L3 Cache per Socket (KB)6144
System Memory16GB
Memory TypeUndefined
Memory Speed1600 MHz
Memory Configuration4GB , 4GB , 4GB , 4GB
Disk ModelHitachi HTS727550A9E364
Disk Size465.76GB GB
Software Configuration
Operating SystemMicrosoft Windows 10 Pro64-bit
Submission Details
Test Date2016-01-25 08:16:33
Submitted bySubmitter company
System Customization
AAA
System Supplier
BBB
Comments
CCC

2016年1月24日日曜日

熱伝導グリス MX-4 を買ってみた【熱伝導率の高い絶縁グリス】

8570w に装着した Quadro K2200M が熱いので、買ってみました。

既存のグリスは熱伝導率 0.62 W/mK の安物です。なぜこれを買ったのかというと、単に一番安かったからです。



新しいグリスは熱伝導率 8.5W/mK なので、熱伝導率は 8.5 / 0.62 = 13.70 倍になることになりますが、グリスの影響はそもそも少ないという話もあって、今まで一番安いグリスを使っていました。

ちなみに 8570w のヒートシンクは CPU、GPU とも共通でファンが一つという仕様です。

K2200M は 65 W もあり、55 W までの純正グラフィックス用の冷却容量では全く足らないようで、CPU は 最大 105 °C、GPU は最大 93 °C 程度に達してしまい、自動クロック制限が常時かかっている状態なので、少しでも冷やしたいと思い藁にも縋る気持ちでグリスを買った次第です。



このグリスの謳い文句は以下のようなものです。


  • ブランド ZAWARD
  • 商品重量 27 g
  • 梱包サイズ 15.8 x 10.1 x 2 cm
  • メーカー型番 MX-4/4g
  • 密度 : 2.5g/立方cm
  • 粘度 : 870poise
  • 重量 : 4g
  • 熱伝導率 : 8.5W/mk
  • 絶縁タイプなのではみ出てもショートしない。


塗り替えてみた結果についてはそのうち書きます。

2016年1月23日土曜日

新世代の Quadro M シリーズはゲーム用としても可!【Quadro でゲーム】

Quadro というと、OpenGL を利用する CAD などのアプリケーション向けという位置づけになっています。

Quadro は多くの場合高価なのでコスパは最悪ですが、しかし DirectX アプリケーションでも利用できないわけではありません。

特に、Maxwell アーキテクチャーが採用された最新のモバイルワークステーション用 Quadro では従来の K (Kepler) 世代の Quadro と比べて大幅にゲームでのパフォーマンスが改善されている、という MSI の記事が以下にあります。
https://gaming.msi.com/article/do-you-know-new-nvidia-quadro-graphics-play-games-as-good-as-gtx-graphics

最新の Quadro というのは以下のように Maxwell を意味していると思われる "M" が数字の前についています。後についているのはモバイルの "M" です。

  • Quadro M5000M
  • Quadro M4000M
  • Quadro M3000M
  • Quadro M2000M
  • Quadro M1000M
  • Quadro M600M


これらのうち、M2000M 以下が 39.6 cm ディスプレイのプラットフォーム向けで、その上以上が 43.9 cm プラットフォーム向けという位置づけになっているようです。


上記の MSI の記事によれば 3DMark 11 において
  • Quadro M5000M P11000
  • Quadro M1000M P4600
だったとのことです。
  • M5000M の前世代の K5100M では P7050
  • M1000M の前世代の Quadro K1100M では P2050
だったということですので、小型モデル向け Quadro ではゲームの性能が 2 倍以上の性能になっていると理解しておけばいいでしょう。

ところで "K" から始まる前世代のモバイル Quadro でも、上から数えて 2 番目の数字が "2" となっている K2200M、K620M は Maxwell アーキテクチャーなので、その他の部分の仕様(メモリーとか)が同じなら現行の M 系の Quadro と大して差はありません。


2016年1月22日金曜日

eBay でサーマルパッドを個人輸入してみた【送料込みで 100 円強!】

8540w に装着した Quadro 2000M の電源回路放熱用として、サーマルパッドを買ってみました。下の画像の部分に貼るものです。



サイズはどれがいいのかわかりませんでしたが、5 mm 厚と 0.5 mm 厚のパッドを買いました。厚みのあるものは若干高いようです。とはいえ、送料は無料で大したことはありません。

0.5 mm 厚のパッドは何と送料込みで 0.99 米ドル、つまりたったの 120 円弱です!中国のセラーから買ったのですが、いくら中国の人件費が安いからって、こんなのでよく採算が取れるものだと感心します。

サーマルパッドなんていう物体はただみたいなものなのでしょうからわからなくもないのですが、それでも送料と人件費があるわけですし・・・

まあ、中国の売主の心配をするよりも、日本国内の雇用の心配をしたほうがいいのかも知れません。

当然というべきか、到着までには 30 から 40 ぐらいの営業日がかかるそうです。船便なのでしょう。実際はセラーの言う日数よりもう少し早く来ることが多いので、まあそこまではかからないと思うのですが、さてどうなるやら・・・別に急いでないので気長に待つことにします。

ちなみに商品はこんなものです。

2.96 米ドル

0.99 米ドル

2016年1月21日木曜日

HP EliteBook 8540w に Quadro 2000M を載せてみた【MXM 交換】

8540w に使っていない Quadro K2100M 載せてみようと思い、やってみたらすぐに電源が落ちるだけで使えませんでした。

同じく使っていない Quadro 2000M を載せてみたら動いたのでその報告です。

Quadro 2000M カードの概要

  • 39.6 cm プラットフォーム向け
  • MXM 3.0 MXM-A フォームファクター
  • VBIOS 70.06.31.00.06 (GF106 P1076 SKU 0503 MXM VGA BIOS)
  • DirectX 11 対応
  • TDP 55W

乗せ換え作業

昨日の記事をご覧ください。手順はほぼ同じです。


なお、8540w のヒートシンクは MXM 規格からはみ出しているわけではないので装着できるのですが、その逆にモジュール右上(取り外した状態でコネクター部を下にした場合)の電源回路をサーマルパッド経由で冷却するために必要な部分が欠けています。


この電源部分を動作中に手で触ってみると、アイドル時には非常にぬるく問題ないのですが、負荷をかけると指で触れないほど熱くなります。

もともとこのモジュールが装着されていた 8560w のヒートシンクでは、この部分もサーマルパッドが配され冷却されるようになっているので、そのままだと問題だと思います。

なので、分厚めのサーマルパッドなどを使うなどして、各自工夫してください。

ドライバーのインストール

そのままではインストールできません。.inf ファイルを書き換えることが必要です。

なおそれに伴って、ドライバーのデジタル署名はなくなってしまいますので、それに納得できないならこのようなビデオカードの換装を行うべきではありません。

手順は過去 8570w に Quadro K2100M を載せた時の記事にあります。

書き換える .inf ファイルは例えば、Windows 10 64 bit 版の場合で、NVIDIA ドライバーのバージョンが 354.56 の場合、以下の場所にあります。
C:\NVIDIA\DisplayDriver\354.56\Win10_64\International\Display.Driver
この中にある HP 用の .inf である nvblwi.inf を書き換えます。

使用感

ちょっとだけ早くなりました。オリジナルは FirePro M5800 だったので、それに比べれば消費電力はほぼ 2 倍、性能は 1.3 倍ぐらいになりました。

換装前 FirePro M5800
  • 3DMark Fire Strike 706
  • 3DMark 11 P1161
  • 3DMark Vantage P3742

換装後
  • 3DMark Fire Strike 1012
  • 3DMark Sky Diver 3269
  • 3DMark Cloud Gate 5213
  • 3DMark 11 P1548

動画

手順は動画にしてあります。その他の動画は昨日の記事からリンクしています。




2016年1月20日水曜日

HP EliteBook 8540w に Quadro K2100M をつけてみた【失敗】

8540w はもともと ATI FirePro M5800 でした。

8570w のビデオカードを Quadro K2100M から Quadro K2200M に乗せ換えたことで、Quadro K2100M が余ってしまったので、それをつけようと思ったのですが・・・

とりあえず失敗談を載せておきます。

用意するもの

プラスねじドライバー
トルクスねじドライバー
熱伝導グリス
サーマルパッド(推奨)


分解の手順

  1. 外部電源・バッテリーを取り外す。
  2. キーボードのねじ 3 箇所を緩め、PC を通常使用しているような姿勢にして、液晶を開く。キーボード上部 4 箇所にある爪を手前にずらし、キーボードを持ち上げ、キーボード用とポイントスティック用の ZIF コネクターを両方とも取り外す。
  3. バッテリー上部のねじ 3 箇所を緩めて取り外す。
  4. スイッチパネルのコネクター 1 箇所を取り外す。PC を通常使用しているような姿勢にして、スイッチパネル左側から指を突っ込んでいき内部の爪を外しながら、こじ開けていく。
  5. 次にヒートシンクを取り外すので、ヒートシンク上のケーブル類を邪魔にならないようにどけておく。
  6. ファンのコネクターを取り外す。ヒートシンクのトルクスねじ 8 か所と、プラスねじ 1 箇所を取り外し、ケーブルが引っ掛からないよう注意しながら取り外す。
  7. ビデオカードのねじ 2 箇所を緩め、取り外す。
  8. ビデオカードを抜く。既存ビデオカードに接着されたバックプレートを取り外し、新しく装着するカードにつける。



組み立て

ヒートシンクと CPU から熱伝導グリスを除去し、新しい熱伝導グリスを CPU とビデオカードに塗布します。あとは反対の手順で組み立てます。

火入れ

残念ながらすぐに電源が落ちてしまいます。たぶん VBIOS との互換性がないのでしょう。

Quadro K2100M の VBIOS は Dell 用の 80.06.61.00.08 という版が入っていました。8570w では使えましたが 8540w にはダメなようです。

MSI のVBIOS はまだ試していません。

このまま元に戻すのはあれなので、8560w 用の Quadro 2000M をつけたところ正常に動作しました。その時の話はまた書きます。


2016年1月19日火曜日

Windows 10 のインストールでブート構成に失敗してインストールできない【原因は何?】

HP EliteBook 8540w に Windows 10 Pro を UEFI モードでインストールしようとすると失敗する現象に遭遇しました。

特別なことは何もしていないつもりだけど・・・

インストールに使用したメディアは、マイクロソフトの公式サイトからダウンロードできるメディア作成ツールで普通に作成した USB インストールメディアです。

BIOS の設定を UEFI ブートにして、普通に作成したメディアからからのハードディスクにインストールしようとしただけです。

症状

普通にインストーラーは起動し、ウィザードも普通に作動します。

普通にファイルのコピーなどといったインストールが始まり、一番最後の処理までは進むのですが、それらの処理に長々と待たされた挙句、最後になってブート構成がなんとかかんとかで失敗してしまいます。

何度かやってみましたが、変わらず。

結局、UEFI モードでのインストールをあきらめて、レガシー BIOS モードでインストールすることにしました。

これは何の問題もなく完了。

原因は?

この機種の BIOS 設定画面からブート方式を変更しようとすると、UEFI モードはセキュリティー上の問題などがあるかもしれないから推奨しないとか警告されます。HP は UEFI モードを推奨しないそうです。


だからといって、セキュリティーとインストールできないのはあんまり関係ない気がします。

一つ原因に心当たりがあることがあるとすれば、BIOS は 2010 年ごろのバージョンで、かなり古いということです。

8540w の BIOS の改訂履歴を見てみると UEFI 周りの改修は幾度とおこなわれているようなので、アップデートしてからインストールすれば問題なかったのかもしれません。

2016年1月18日月曜日

HP EliteBook 8540w と 8560w の比較

比較すると、基本的には 8560w のほうが良くなっているのですが、すべての点で改良というわけではないようです。

HP EliteBook 8540w という古い PC のいいところ

この PC は 2010 年製、第 1 世代 Core i5/i7 プロセッサーで、製造から 5 年以上経過しています。

この機種の外観は古い時代の典型的な HP デザインで、後継の 8560w とは全く異なっています。

あくまでも好みですが、8560w のほうが外装のつなぎ目などが少なく、よりメタリックな感じがします。しかし 8540w のほうが見る角度によってはなんとなくスリムに見えます。

この機種は後継の 8560w などに比べると性能的にはかなり低いのですが、ひとつ前の 8530w だと MXM 2.x だったのに対して、8540w はギリギリで 8560w やその後継モデルなどと同じ MXM 3.0 MXM-A なので、新しい世代への GPU 乗せ換えができるという美点があります。

ただし、8560w ほど多くのモジュールに対する互換性はありません。たとえば、それらの機種で使える Quadro K2100M は使えません。個人的に確認した範囲では、8560w 用の Quadro 2000M が使えるようでした。他はまだ試していません。

この機種のほうが 8560w よりいい点をいくつか列挙してみると・・・
  • 8560w にはない音量調整ボタンがある。8560w はミュートだけ。
  • 8560w よりインジケーター LED の視認性が高い。
  • より普通っぽい配列のキーボード。ファンクションキーは 4 ごとに隙間がある。カーソルキーが大きい。

2016年1月17日日曜日

リモート デスクトップで他のコンピューターに接続できない【見つからない場合】

リモート デスクトップでコンピューター名を指定しても接続できない原因についてです。

ターミナル・接続先ともに Windows 10 Pro の環境で、無線 LAN 内のコンピューター名を直接入力しても見つからないというエラーでした。

いろいろあるかと思いますが、当方の場合はファイル共有やネットワーク探索に影響するホームグループの設定がパブリック ネットワークになっていたのが原因だったようで、昨日書いた方法でプライベート ネットワークに変更したらすぐに接続できるようになりました。

プライバシー保護の観点からか、デフォルトでは公衆無線 LAN など用の設定であるパブリック ネットワークになっているようです。

なので、それを家庭内 LAN などが前提のプライベート ネットワークに変更する必要があります。

例えば Windows 10 を始めてインストールした後、無線 LAN に接続するように求められた時に接続すると、その時点ではパブリック ネットワークになるので、ほとんどの場合手動変更する必要があると思われます。




2016年1月16日土曜日

Windows 他のコンピューターが見つからない場合の対処法【ファイル共有などができない場合】

Windows 10 でファイル共有やリモートデスクトップを行おうとしても、ほかのコンピューターが見つからないという症状に遭遇しました。

\\ でコンピューター名を直接指定してもアクセスできませんでした。

原因はどうやら接続している無線 LAN がパブリック ネットワークとなっているのが原因だったようで、それをプライベート ネットワークに変更したところすぐに接続できるようになりました。

やり方

Windows 10 でのやり方は以下の通りです。
  1. スタートボタンをクリックする。
  2. ホームグループと入力し、ホームグループを選択する。
  3. ネットワークの場所の変更をクリックする。
  4. すると右側にプライベート ネットワークにするかと聞かれるのでそうする。



この設定を変更することで、ネットワーク探索などが有効になるようです。そういうことなどが影響するのでしょうか?よくわかりませんが・・・

2016年1月15日金曜日

HP EliteBook 39.6 cm MXM-A の機種で使えるグラフィックカード一覧

39.6 cm 液晶ディスプレイのモデルでは、小型の MXM-A カードが装着できます。

なお過去記事で何度も書いてきましたが、物理的に装着できるからといって動作するとは限りません。多くの場合 VBIOS の互換性が問題になります。

以下の情報のほとんどは伝聞情報のため、正確性は未知数です。

通常の液晶ディスプレイでは使用できても、Dreamcolor 液晶ディスプレイ (10 bit) の場合、対応しないことがあります。

EliteBook 8540w

以下 4 カードは純正
  • NVS 5100M 
  • Quadro FX 880M
  • Quadro FX 1800M
  • FirePro M5800

以下非純正、伝聞情報です。
  • Quadro 2000M VBIOS 不明 
  • FirePro M4000 Dell モジュール HP VBIOS いろいろ問題があるそうです。

EliteBook 8560w

以下の 3 カードは純正
  • Quadro 1000M
  • Quadro 2000M
  • FirePro M5950

以下非純正、伝聞情報です。
  • Quadro K2100M VBIOS MSI 80.06.69.00.06
  • Quadro K2200M VBIOS ?

Elitebook 8570w

以下の 3 カードは純正
  • Quadro K1000M
  • Quadro K2000M
  • FirePro M4000 

以下非純正、一部伝聞情報です。
  • Quadro K2100M VBIOS Dell 80.06.61.00.08 非 DC ディスプレイで検証済み
  • Quadro K2200M VBIOS Dell 82.07.5F.00.09 非 DC ディスプレイで検証済み

2016年1月14日木曜日

MXM 交換後に絶対注意すべき点【SBIOS をアップデートしない!】

MXM 交換後に注意すべき点があります。

それは SBIOS のアップデートをするときは MXM をオリジナルに戻すということです。

なぜかというと、Dell や HP などの PC ベンダーが提供する SBIOS の更新プログラムには VBIOS のアップデートが含まれる場合があるからです。

もっとも、大体の MXM プラットフォームには何種類かの MXM が設定されていることが多いでしょうから、適合しないカードの VBIOS は書き換えられないと思います。

また、純正カードを装着した場合、MXM の EEPROM 内の VBIOS ではなく SBIOS 内の VBIOS が利用される実装になっているプラットフォームもあるようですが、そういう場合は SBIOS 内の VBIOS が書き換えられるだけで、問題ないのかも知れません。

ただ、念のためです。

大体の場合、VBIOS のアップデートが含まれる更新プログラムにはリリースノートに記載があります。

例えば、下は ZBook の SBIOS アップデートの詳細説明ですが、VBIOS のアップデートがあることが記載されています。





2016年1月13日水曜日

HP EliteBook 8560w と 8570w の違いは?【よく似た数歳差の兄弟みたいなもの!】

HP EliteBook 8560w という 2011 年発売のノート PC と、その後継で 2012 年発売の 8570w というモデルはお互いに瓜二つといっていいほど、外観はよく似ています。

もちろん外観だけではなく、使用している部品にも結構共通部品があります。

後継モデル 8570w では何が違うのか、というと・・・

性能面

  • CPU が Sandy Bridge 世代から Ivy Bridge 世代に変更。
  • チップセットが新しい世代用に変更。
  • メモリーが DDR3 PC10600 から DDR3 PC12800 に変更。
  • 搭載グラフィックが DirectX 11 世代から DirectX 12 世代に変更。それに伴って DisplayPort も 1.2 対応。
  • Bluetooth が 2.1 から 4.0 に変更。
  • 一部のモデルは Windows 8 ライセンスで販売された。該当モデルでは BIOS にプロダクトキーが埋め込まれており、COA ステッカーの貼り付けがもともとない。マイクロソフトのサイトから Windows 8.1 をダウンロードしてインストールすれば、自動的にライセンス認証される。
  • Windows 10 用ドライバーが一部用意される。

機能面

  • HDD を取り外さずに SSD を増設できる mSATA スロットが搭載された。
  • バックライトキーボードの明るさが 2 段階に変更できるようになった。
  • 液晶バックライト照度制御用の周辺光センサーが廃止された。私見ですが、まったく役に立たないので気にしなくていいかと。
  • BIOS が新しい。

意匠面

  • キーボードのフォントは、8560w ではどことなしに Mac 風の中央に文字があるデザインだったが、8570w では若干左上に文字がある普通のデザインになった。また周辺光センサー非搭載のため、切り替えファンクション (f11) 廃止。
  • ディスプレイ背面の HP ロゴが光る制御がちょっと変わった。

2016年1月12日火曜日

HP EliteBook 8560w 8570w キーボードを外すのが固い【爪の位置は?】

という質問を YouTube の動画のコメント欄で受けたので、爪の位置がわかる動画を作りました。

この機種では、パームレストから生えている爪が、キーボードの爪穴には嵌められて固定されています。

爪穴はキーボード上部に 3 箇所、横部分に 4 箇所あります。

パームレストの爪は上部には 3 箇所あります。しかし、横部分に関しては、左右の横上の 1 箇所にしかありません。

それぞれの爪の位置

キーボード上部の爪は以下のキーの上部にあります。
  • f4
  • f9
  • delete

キーボード横上の爪の位置は以下のキーの横にあります。
  • pg dn と - の間
  • esc と ~ の間


2016年1月11日月曜日

Windows 10 にアップグレードするべきか?【只より高い物はない・・・かも?】

Windows 10 にアップグレードするべきかどうか、という漠然とした話です。

WIndows 7 や WIndows 8/8.1 のユーザーなら WIndows 10 の発売後 1 年間は無料アップグレードができるわけですが、果たして本当にアップグレードすれば幸せになれるのかどうか。いろいろな人が疑問を抱いていると思います。

ズバリいうと、WIndows 10 にアップグレードするのはデスクトップ PC なら大して問題はないと思います。

ノート PC の場合はかなり微妙です。というのも、Synaptics のポインティングデバイスは古いモデルだと、Windows 10 が勝手に当ててくれるドライバーでは使えないことが多いと思います。

当方の 8570w は 2012 年から 2013 年に販売されていたモデルで、Windows 8 プレインストールのそれほど古いモデルではありませんが、Synaptics のポインティングデバイスのドライバーはデフォルトでは使用できず、手動で Windows 8.1 用の古いドライバーをインストールする必要がありました。

他のメーカーのノート PC でも検証してみましたが、やはり Synaptics のドライバーは手動で古いものを当てる必要がありました。

でも Windows 10 ではデバイスドライバーは強制的に Windows Update で更新される仕様で、無効にすることはできません。特殊なツールを使う必要があります。基本的なポインティングデバイスがまともに動かない OS  なんて、初心者にアップグレードを勧めたら恨まれること間違いなしです。

自分が無償アップグレードした感想としては、思っていたよりもはるかにこのデバイスドライバー周りの不具合が多かったです。Windows Update が不適合の新しいドライバーをあててしまう・・・自分で元に戻す・・・再起動・・・最初に戻るというループが一番大変でした。いったい何度再起動したかわかりません。

この辺は、Windows 10 プレインストールモデルなら問題ないでしょう。

というわけなので結論。
  • PC トラブルが好き。トラブルを解決する作業を楽しめる。
  • 根気良く何度も再起動したりする時間が苦にならない。
  • 予備の PC を持っている。
といった人はアップグレードすればいいと思います。そうでなければ 1 回インストールだけしてライセンス認証を紐づけしておき、元のまともに使える Windows を使ったほうがいいでしょう。

あなたの貴重な時間を Windows 10 のバグフィックスに捧げる覚悟はありますか?

それあっての無償アップグレードです。

2016年1月10日日曜日

モバイルなら GeForce より Quadro がおすすめかも?【Quadro の意外なメリット】

NVIDIA の GPU には、大まかに分けて GeForce と Quadro シリーズがあります。

皆様は Quadro といえばどんなイメージをお持ちでしょうか?それは大体以下のようなものではないかと思います。
  • Quadro は OpenGL を利用する CAD などのプロフェッショナル 3D アプリケーション向け。
  • ISV (Independent Software Vendor) 認定アプリケーションがある。
  • DirectX のゲームには適さない。
  • 性能の割には非常に高価でコスパが悪い。
  • 信頼性が高そう?
まだまだあるでしょうが、ま、こんなところかと思います。

さて、本日はその Quadro の意外ないいところ、という点です。それは・・・

Quadro の MXM は安い

何言ってんだ?と思われるかもしれませんが、デスクトップ用ではなく、モバイル用の一部の MXM カードの話です。

これはデスクトップ用カードの相場から考えれば、それの半分ぐらいの性能のモバイル用 Quadro の MXM は半額や 10 分の 1 ぐらいで流通していることも結構あったりします。

といっても、あくまでもグラフィックが MXM の PC で、かつ MXM と互換性があることが前提となりますが・・・

たとえば、当方が現在使っている Quadro K2200M という一世代前の MXM は中国のタオバオ (taobao.com) などから輸入すれば 20000 円もしないぐらいで手に入ります。



しかしデスクトップ用の PCI Express 版 Quadro K2200 だと価格ドットコムの最安値で 60000 円弱もします。

なお、これらのカードの性能はもちろんデスクトップ版のほうがいくらかは高性能ですが、何倍も差があるわけではありません。

MXM なら GeForce より Quadro が安い

安くて豊富に流通していますし、Quadro の MXM には MXM-A フォームファクターのカードが多く、GeForce よりも選択肢が多いです。

例として挙げた Quadro K2200M というカードは 3DMark のスコアを基準にすると、大体 GeForce GTX 960M か GeForce GTX 860M ぐらいの性能があるカードです。

同じ性能のある GeForce の MXM は大型の MXM-B 形状がほとんどなのでシステムを選びますし、値段も結構張ります。


2016年1月9日土曜日

ROMless MXM モジュールについて "VBIOS Chip Lacked MXM Module"

MXM 規格では、MXM モジュールを動作させるのに必要なファームウェア (VBIOS) は MXM モジュールに格納されることになっています。

一般的には、モジュールの EEPROM に格納されています。その VBIOS が MXM 規格に準拠しているなら、どのような MXM 互換プラットフォームに装着しても動作します。

OEM Module の例 ROMless Module

しかし、PC ベンダーが初期装着している MXM 型モジュールの中には、VBIOS が格納されている EEPROM を搭載していないモジュールがあります。そもそも EEPROM が基板上に実装されていないので、よく見れば判別可能です。

ではそういった ROMless モジュールでは、VBIOS がどこに格納されているのかというと、プラットフォーム (PC) の SBIOS に格納されていて、それが利用されます。

そういった実装がされたモジュールはその PC 以外ではまず動作しません。 ファームウェアがないんですから当然です。もちろん、他のプラットフォームの SBIOS に対応する VBIOS を書き込み、それが実行されるようにする改造をするなら別ですが。また、そういった ROMless モジュールは MXM 規格に準拠したとはいえません。

しかし MXM の規格書では MXM 規格に準拠したプラットフォームにそういった ROMless の MXM 非互換モジュールを装着し、VBIOS は SBIOS 内に存在するという実装も想定されています。

気を付けるべきは・・・?

特定 OEM 用に規格を逸脱する形でカスタマイズされた MXM 型モジュールの中でも、この ROMless は最もつぶしのきかない形になるカスタマイズで、純正のプラットフォーム以外で動作する確率はほぼ 0 ですので、動作するかわからない組み合わせを人柱となって試す場合でも避けた方が無難でしょう。

改造

参考
ROMless の MXM モジュールに EEPROM チップをはんだ付けする改造をしている人もいるようです。

2016年1月8日金曜日

MXM にホワイトリストはあるか?【噂話】

海外のノートブックコミュニティなどではよく

「HP 製 PC は SBIOS に MXM のホワイトリストを有しており、純正カード以外を装着しても動作拒否する」

などといった憶測・噂がささやかれています。

邪推すると、高価な MXM を ebay などで落札して、大変な分解・組み立て作業をした挙句、動かなかった目にあった人が疑心暗鬼になって言い触らしているのでしょう。

Wi-Fi と WWAN スロットに関しては事実

HP のノート PC は Wi-Fi および WWAN スロットに関しては SBIOS にホワイトリストを持っており、純正カード以外を排除していることは事実です。これはサービスマニュアルにも記載があります。

無線に関しては各国の法規等もあったりするので、それに配慮しているのでしょう。



MXM にはホワイトリストはおそらくない

ですが、基本的に MXM にはホワイトリストは無いと考えていいでしょう。

よくホワイトリストがあると言われる PC はたとえば HP EliteBook 8540w です。



このモデルは、後継モデルの 8560w や 8570w とは MXM 周りの実装が異なるようで、例えばそれらでは使える Quadro K2100M などが使用できないといわれています(あくまで噂ですが、いろいろなところでいわれているのでおそらく本当でしょう)。

ですが、そんな 8540w にも DELL 用の FirePro M4000 を装着して使っている人がいたりします。



MXM にホワイトリストはないけど・・・

しかし、だからといって HP の PC に MXM 準拠のモジュールを装着して動作するという保証はありません。単に PC のスロットが MXM 型なだけでは、ソフトウェア的にも MXM 規格に準拠した実装になっているという保証はないですから・・・

それに、MXM 型モジュールのほうも、オークションなどで売主が「MXM 規格」と称していても、MXM 規格が見た目(フォームファクター)だけの規格だと思っている無知な売主がそう称しているだけ、と思ったほうが無難です。



互換性のない実装の例

モジュールも、VBIOS などのソフトウェア面では MXM 規格に準拠した実装になっていないことも多いようです。

たとえば、HP の MXM には ROMless といって、ビデオモジュールの動作に必要なプログラム (VBIOS) が格納されている EEPROM チップが搭載されていないモジュールがあります。

同じモデル名 (e.g. FirePro M4000) のモジュールでも、DELL 用の純正モジュールには EEPROM が搭載されているのに、HP 用の純正モジュールには搭載されていないというケースがあったりします。 

ROMless モジュールについては次の記事に続きます。


2016年1月7日木曜日

Quadro K2200M を HP EliteBook 8570w に装着してみた【ドライバーのデジタル署名の強制を無効にする方法】

タオバオで 15000 円強で買った Quadro K2200M を 8570w に装着してみました。

このカードの特徴は以下のようなものです。

公式サイトはこちら

HP のワークステーショングラフィックス紹介 PDF はこちら

概要をおさらいしておくと・・・
  • Maxwell アーキテクチャー
  • 2 GB GDDR5 メモリー 80.2 GB/s
  • MXM-A 型だが MXM-B プラットフォーム向け
  • 消費電力 65 W
  • 性能はおおむね GeForce GTX 960M 並み


動作するか?

当方の 8570w はもともと FirePro M4000 という TDP 33 W のカードがついていましたので、それから比べると消費電力は 32 W 増しでほぼ 2 倍ということになります。

純正設定されているビデオカードでは Quadro K2000M の 55 W が最高なのでそれから比べれば 10 W 増しです。

したがって電源容量や発熱などに不安があります。また、VBIOS の互換性も心配です。

一応、8570w、8560w で使用できるという情報はありましたが。

結論から言うと、使用することはできました。

VBIOS は 80.07.5F.00.09 という Dell の VBIOS が入っていて、まったく書き換える必要はありませんでした。

デバイスドライバーを導入するには .inf に少し書き加える必要があります。したがってデジタル署名は利用できません。

ただ、負荷をかけた状態での放熱には結構問題がありました。

分解

バッテリーを外し、分解します。以下のコンポーネントを順番に外す必要があります。

サーマルパッドは新品を用意しておいた方がいいでしょう。ebay などで安く買えます。

  1. サービスドア
  2. 光学ドライブ
  3. ハードディスク
  4. キーボード
  5. パームレスト
  6. ヒートシンク・ファン
  7. ビデオカード (MXM)
詳しい分解方法については、K2100M に交換した際の過去記事をご覧ください。


組み立て

分解したら、バックプレート(ブラケット)を張り替えて、サーマルパッドを張りつけ、グリスを塗り、組み立てます。

火入れ

そのまま電源を入れます。VBIOS は 80.07.5F.00.09 というバージョンで、書き換える必要はありませんでした。このまま使用します。

1 回だけ再起動しますが、普通に Windows 10 が起動します。

次にドライバーを当てようと思い、NVIDIA 公式サイトから拾ってきてインストールしようとしますが、サポートされていないとか出てインストールできません。

どうやら、このモデルに K2200M を装着することは想定されていないようです。

.inf Modification Method

ただし、それでも NVIDIA のドライバーをインストールする方法はあります。とても簡単です。

「HP の PC で K2200M をサポートしているモデル用のドライバー」がインストールされるように、.inf を書き換えてしまえばいいだけです。要するに、この 8570w (モデルコード 176B) も対応機種として追記するような形となります。

8570w のモデルコード : 176B
Quadro K2200M のデバイス PCI ID : 13B3
HP のベンダー ID : 103C

当方はこのサイトの情報を参考に行いました。

方法は以下の通りです。

普通に NVIDIA からインストールしたいドライバーを拾ってきます。そしてそれを実行します。すると解凍され、インストーラーが実行されますが、対応していないとか出て失敗します。

しかし、ドライバーは解凍されていますので、それを開きます。

当方がインストールしたドライバーはデフォルトでは以下にありました。ドライバーのバージョンと Windows のバージョンによって分かれています。
C:\NVIDIA\DisplayDriver\354.56\Win10_64\International\Display.Driver
この中にある HP 用の .inf である nvblwi.inf を書き換えるのが今回の作業です。


次に、デバイス マネージャーを開いて、K2200M (ドライバーが当たっていない状態では Microsoft Basic Display Adapter) のプロパティを開き、ディスプレイ アダプターのハードウェア ID をメモ帳などに貼り付けておきます。当方の 8570w では以下のようになっていました。
PCI\VEN_10DE&DEV_13B3&SUBSYS_176B103C


先ほどの .inf を開きます。

%NVIDIA_DEV.13B3.2256.103C% = Section035, PCI\VEN_10DE&DEV_13B3&SUBSYS_2256103C 
のすぐ下に以下のように書き加えました。
%NVIDIA_DEV.13B3.176B.103C% = Section035, PCI\VEN_10DE&DEV_13B3&SUBSYS_176B103C


あと、Strings に以下のように書き加えておきます。NVIDIA_DEV.13B3.2256.103C = "NVIDIA Quadro K2200M "のすぐ下です。
NVIDIA_DEV.13B3.176B.103C = "NVIDIA Quadro K2200M "



これだけで完了です。

デジタル署名の強制を無効にした状態でドライバーをインストールする

さて、インストールですが、こうやって .inf を書き換えたことによって、ドライバーはデジタル署名されていないことになってしまったため、そのままではインストールできません。以下のようなエラーが出ると思います。


そこで、ドライバーのデジタル署名の強制を無効にした状態でインストールする必要があります。

そのためには Advanced Startup で再起動する必要があります。以下の様に行います。
  1. スタートメニュー
  2. Settings
  3. Update & Security
  4. Recovery
  5. Advanced Startup
  6. Restart Now

すると青い画面にいろいろな選択肢が表示されるので Disable driver signature enforcement を探します。現在は以下のように進んでいけばいいようです。
  1. Troubleshoot
  2. Advanced Options
  3. Startup Settings
  4. Restart to change Windows options such as:
  5. Restart
  6. Disable driver signature enforcement
Windows が起動したら、その状態でドライバーをインストールして、再起動します。途中ドライバーがデジタル署名されていない旨の警告が出ますが了承します。


再起動してインストールできていることを確認します。デジタル署名はされていませんが仕方ないです。それで不都合があるならやるべきではありません。



GPU-Z


ベンチマーク結果

これには大満足です。大体 K2100M は Fire Strike 1774 でしたから、約 2.22 倍のパフォーマンスになりました。GeForce GTX 960M 並みってことろでしょうか?

3DMark Fire Strike 1.1
3922



3DMark 11 無料版デフォルト設定
P5509



問題点

65 W の発熱はすさまじく、完全に放熱が追い付いていません。あっという間に上限温度に達してしまいます。

GPU-Z で確認すると、最大で 93 °C に達しているようでした。

90 °C を超えると PrefCap Reason (Performance Capped Reason) Thrm となっている通り、自動的にクロックダウンされているようです。幸いなことにコアクロックがいくらか制限されるだけのようなので、それほど遅くなったとは感じません。

発熱は心配ですが、これ以上できることもないので、自動パフォーマンス制限に任せておき、壊れたらもう 1 つビデオカードを買うぐらいの覚悟で使っていくことにします。そのころには安くなっているでしょうし。





一連の動画

一連の作業を動画にまとめておきました。詳細な分解作業などはチャンネル内にあります。


2016年1月6日水曜日

中国からの郵便が届いた!【国際郵便の到着日数】

YOYBUY.COM という英語で買えるタオバオ代行業者から日本の自宅宛てに発送していたものが、昨日とうとう届きました。


到着日数は?

代行業者に商品代金の支払いを済ませて手続きが開始したのが現地時間 12 月 24 日 14 時です。

売主から代行業者の倉庫に届いたのが 27 日 11 時です。売主から倉庫への距離がどれぐらいなのか調べていませんが、中国国内の広さを考えると配送は早いと思います。それに、支払いや到着後の連絡にもいくらかの遅延があるはずですので。

そして 27 日には国際配送料の支払いを済ませました。配送方法は中国郵政の航空便 (Air Mail Small Packet) です。すると即日発送完了を告げるメールが来ました。そのメールには追跡番号も記されていました。

29 日頃に中国郵政の追跡サイトで追跡できるようになり、年明けの 2016 年 1 月 3 日に日本郵便のサイトでも追跡できるようになりました。

そして自宅まで届いたのが昨日 5 日でした。最初の日から数えて大体 9 日ほどかかった計算になります。

梱包は?

今回頼んだのはノート PC のビデオカード Quadro K2200M というものです。





ebay でも出品している中国人がいるのですが、タオバオならその半額程度で売られているので代行手数料を考えてもお得だったからです。

もちろん、途中に代行業者を通すと保証が事実上使えないとか、そういったリスクはありますので、単純に比較できませんが。

その梱包としては必要最小限という感じで、最小サイズのぼろい段ボールをテープでぐるぐる巻きにして、中はプチプチというような感じになっていました。

間違ってもきれいではないですが、でもきれいな段ボールだと関税をとられやすいとかいう噂があって、わざと汚い段ボールで送ったりするのも配慮のうちという話もあるので、いいほうに取っておきましょう。

ちなみに関税や内国消費税は徴収されませんでした。梱包のぼろい感じが効いたかな?

2016年1月5日火曜日

中国から日本に送った郵便が追跡できるようになるまでの日数【国際郵便の到着日数】

YOYBUY.COM というタオバオ代行業者を使って中国から日本に送った場合、その荷物はどれぐらいで追跡できるようになったかという話です。

この代行業者を使ってタオバオで買い物をした場合、いったん代行業者の倉庫に到着してから、日本へ国際配送することになります。

長い時間追跡ができないと不安になりますし、何より気になって仕方がないです。

もちろん気にして追跡したところで最終的に届く時間は変わりませんので無駄ですが。

以下、北京時間と日本時間の時差はわずか 1 時間しかありませんから、ほとんど同一視していいでしょう。

発送直後から日本到着前まで

代行業者に発送依頼後、12 月 27 日 に発送完了を告げるメールが代行業者から届きました。

その直後は中国郵政の追跡サイトでは追跡できなかったのですが、29 日になって追跡できるようになり、現地時間の 31 日 1 時に日本へ出航したとあります。

31 日時点では、まだ日本郵便の追跡サイトからは追跡できない状態でした。下画像は 3 日現在の状態です。


日本到着後

そして今年の 1 月 3 日 11 時になってようやく日本郵便の追跡サイトに「国際交換局に到着」と表示されるようになりました。

タイムスタンプを見る限りでは、その直後に「通関手続中」となり、同日 20 時に「国際交換局から発送」となりました。

到着した郵便局は神奈川県の「川崎東郵便局」のようで、上記の手続きはすべて同局で行われたようです。

1 月 5 日 2 時の現在のところ、その状態から変化はありません。

2016年1月4日月曜日

NVIDIA 製 GPU の動画再生支援機能について【動画をハードウェアアクセラレーションで再生する】

NVIDIA 製 GPU の多くのモデルには、YouTube などの H.264 (AVC) 動画を再生支援してくれるデコーダーが搭載されています。

昔はこのビデオデコーダーは "PureVideo" や "PureVideo HD" などと称されていて、公式サイトにもモデルごとの機能の一覧が載っていました。

しかし、困ったことに現在ではあまり大々的にはこういったビデオデコーダーの仕様は記載されないようになっているようなのです。

理由は NVIDIA のみが知るというよりありませんが、CPU によるソフトウェアデコードでも十分なパフォーマンスが得られるようになってきて、あまり有難がられないからではないかと思います。

といっても現在でも新しい世代の NVIDIA 製 GPU ほど、続々と高性能・高機能なビデオデコーダーが搭載されるようにはなっています。といっても公式にその機能の名称がつけられているわけではなさそうです。

世代

NVIDIA 製 GPU のビデオデコーダーはいくつか世代によって機能・性能が分かれており、現在のところ第 7 世代まであるようです。

上述の通り、公式名称はないため、例えば第 5 世代のデコーダーは俗に "PureVideo HD 5" or "VP5" などと称されているようです。

参考
Nvidia PureVideo

VDPAU Feature Set

ところで、NVIDIA は Linux などの UNIX 系 OS のサポートも行っており、それらの環境から GPU のビデオデコーダーを利用するための API は VDPAU (Video Decode and Presentation API for Unix) と言います。VDPAU は NVIDIA 公式の呼称です。

参考
VDPAU

そして GPU が搭載しているビデオデコーダーの世代によって機能は違いますので、機能別に例えば VDPAU Feature Set A や VDPAU Feature Set B などとして公式に分類されています。

Feature Set A は俗にいう "PureVideo HD 1"、Feature Set B は "PureVideo HD 5" におおむね相当しています。

この分類は Windows ユーザーにも十分役に立つと思います。なぜなら、ハードウェアに搭載されたビデオデコーダーが UNIX から利用できて、Windows からでは利用できない仕様になっているということはおおよそないと思われるからです。

自分の NVIDIA 製 GPU がどの世代のデコーダーを搭載しているのかを知るには以下の公式サイトが役に立ちます。

Appendix A. Supported NVIDIA GPU Products

これからわかるように、モデルナンバー上の世代とビデオデコーダーの世代は必ずしも一致していません。

ビデオデコーダーの性能の目安

VDPAU Feature Set の分類は機能を表していますが、あくまでも上限の画素数やコーデックについてです。

これは 同じ世代でも GPU の動作クロックなどといった要素によってさまざまなため、どれぐらいの性能があるかは明示されていません。

YouTube 動画での目安としては以下のようなもののようです。

Feature Set A B,C は仕様としてフル HD 程度の画素数まで対応しています。

Feature Set D のデコーダーは前世代のデコーダーに比べると性能が非常に高く、また 4K 画素数のデコードに対応しています。手持ちの Quadro K2100M だと大体 3840 * 2160 の YouTube 動画は 30 Hz なら余裕で再生できますが、60 Hz は完全に無理です。40 Hz 程度が限界のようです。

Feature Set E のデコーダーは性能がさらに高くなっています。Digital Cinema Initiatives という団体による 4K のもう 1 つの定義である DCI 4K (4096 * 2160 画素) のデコードに対応しています。

Feature Set F では H.265 (HEVC) のデコードに対応しているようです。

2016年1月3日日曜日

YouTube 動画でハードウェアアクセラレーションを利用する方法【YouTube が重い場合】

GPU (CPU 内蔵グラフィックスを含む) には動作再生支援用のデコーダーが搭載されていることがあります。

CPU 性能が低く、ソフトウェア再生では高品質な動画を滑らかに再生できない PC であっても、そういったハードウェアのデコーダーを利用すれば動画を滑らかに再生できることも多いです。

まずは、YouTube 動画を視聴するのにハードウェアアクセラレーションを利用する利点と意外な欠点を挙げてみましょう。

利点

  • CPU 利用率を抑えられる。
  • 通常、CPU によるソフトウェア処理より消費電力が低い。より長いバッテリー寿命を期待できる。
  • GPU のデコーダーには高画質化機能が搭載されていることがある。

欠点

  • ブラウザーにもよるのかもしれませんが、例えば Google Chrome で YouTube 動画を視聴していると、CPU によるソフトウェア処理ではタブ切り替えなどで動画の画面から隠れて見えない部分は上手に処理をさぼってくれたりしますが、ハードウェアデコードでは常にデコーダーが使用される状態になります。
  • ハードウェアの能力の限界を超えるような高画質動画をデコードさせた際の破綻の仕方に難ありです。ソフトウェア処理でデコードが追い付かない場合はコマ落ちするだけですが、ハードウェアデコードではちょっとでも追いつかないとバグることがあります。そういった場合に自動的にソフトウェアデコードに切り替わるブラウザーもありますが、そうでないブラウザーもあります。バグるとページをリロードしないといけなくなったりします。したがって、ハードウェアデコードを利用する場合は自分のハードウェアのキャパシティを知っておいて画質を選択する必要があります。

YouTube でハードウェアアクセラレーションを利用する方法

現在販売されているハードウェア (GPU など) とソフトウェア(ブラウザーなど)の組み合わせでは、ほとんどの場合デフォルトでハードウェアアクセラレーションが有効になっているはずです。

基本的には、ハードウェアアクセラレーションが利用できる場合のみ利用され、利用できないと判断された場合はソフトウェア処理になると思います。

そしてどんな場合に利用されるかですが、これはまず YouTube 動画のコーデックを GPU のデコーダーがサポートしている必要があります。

たとえば、YouTube では現在、VP9 コーデックをサポートしている Google Chrome や Mozilla Firefox といったブラウザーでは VP9 がデフォルトです。しかし、たとえば多くの NVIDIA 製 GPU は VP9 のデコードをサポートしていません。

VP9 はフリーで高効率なコーデックですが、このコーデックをサポートしているデコーダーを搭載した GPU はあまり多くありません。インテルの比較的新しい CPU 内蔵グラフィックスに一部存在する程度です。

一方、H.264 (AVC) はかなり古いモデルまで含め多くの GPU にデコーダーが搭載されています。

そういった GPU でハードウェアデコードを利用するには、YouTube 動画のコーデックを H.264 などの一般的にサポートされているコーデックに切り替える必要があります。

切り替え方ですが、h264ify という VP9 が利用されないようにするプラグインがあります。

ブラウザーを変えるのもいいでしょう。現在のところ Internet Explorer や Edge といったマイクロソフト製のブラウザーではデフォルトで VP9 がサポートされておらず、こういったブラウザーで視聴すると AVC が使用されるため、デフォルトでもより多くの環境でハードウェアアクセラレーションが利用されると思います。

ブラウザーによる挙動の違い

これは非常に大きな要素です。

例えば IE や Edge ではハードウェアアクセラレーションが利用可能だと、ハードウェアの能力を大きく超えるような高画素動画をデコードさせてもまったくソフトウェア処理に切り替わりません。デコードが追い付かないとこうなるんだ、という様子を観察できます。

Firefox や Chrome では少しでも異常を検出するとすぐにソフトウェアデコーダーに切り替わってしまいます。ハードウェアの能力が十分余っていても、一時停止を使ってクロックが下がった後に再生を再開すると、それだけで能力不足と判断されるのか、ソフトウェア処理になってしまいます。

バッテリー寿命などの関係でハードウェアアクセラレーションにこだわる必要がある場合、うかつに一時停止もできません。

ハードウェアアクセラレーションが効いているかどうか確認する方法

GPU-Z というツールが便利です。
たとえば NVIDIA 製 GPU なら Video Engine Load を観察します。使われていなければ完全に 0 に張り付くと思います。



この動画はこちらです。
Fire and Embers in 4K - free stock footage 

2016年1月2日土曜日

YouTube で 4K 動画を再生するための条件とは?【4K 動画が再生できない原因】

YouTube では 2160p (4K 画素数 3840 * 2160) の超高画素動画に対応しています。

ただ、環境や視聴するブラウザーによっては 4K の動画でも 1080p が上限になったり、60 Hz にならなかったりと不思議に思ったので、必要条件を個人的にいろいろ調べてみました。



その結果ですが・・・どうやら、YouTube を利用できるすべてのシステムやソフトウェアで 4K 動画を視聴できるわけではないようです。

以下の 条件が必要になっていると思われます。これらの条件が満たされていないシステムでは、そもそも 4K 画質の選択肢自体が表示されません。

なお、ここで書いているのは YouTube の画面に 4K の選択肢が出ない場合の対処法に過ぎないため、CPU や GPU の能力が足りずに 4K 動画を十分な品質で視聴できない場合もあります。それについては次回書きます。

これらは投稿日現在の情報で、正確性は保証されません。また、これ以外にも条件はあるかもしれませんが、ご了承ください。

60 Hz で再生できる条件 HTML5 に対応したブラウザー

YouTube 動画をウェブ ブラウザーで視聴する場合、Flash Player を利用して視聴する場合に選択できる画質は 4K の30 Hz が上限となっているようです。

1080p (1920 * 1080) 60 Hz、1440p (画素数 2560 * 1440) 60 Hz、4K 60 Hz などといった画質は HTML5 プレイヤーからのみ選択できます。

つまり HTML5 に対応した Google Chrome や Mozilla Firefox などといったブラウザーが必要です。

4K 60 Hz 動画の場合の追加条件 vp9 コーデックに対応したブラウザー

動画が 30 Hz (30 fps 毎秒 30 コマ) 以下の場合には、H.264 (avc) コーデックまたは vp9 コーデックで 4K 動画を利用できます。

しかし、動画が 60 Hz (60 fps) の場合は vp9 コーデックのみ利用できます。H.264 は利用できません。

つまり 60 Hz の動画を 4K 画質で視聴するには、Google Chrome や Mozilla Firefox などといった vp9 コーデックに対応したブラウザーが必要です。

コーデックに関する注意点として、YouTube 動画が 60 Hz の場合で、視聴する側のブラウザーが HTML5 に対応していながら vp9 に対応していない場合、1080p までしか選択肢に表示されません。

ブラウザーが vp9 に対応していなくても、YouTube 動画が 30 Hz の場合は 4K 画質も選択肢に表示されます。

つまり、YouTube では動画が高画質なフォーマットだと、視聴するブラウザーによってはかえって利用できる画素数が低くなってしまうという場合もあるので注意してください。

以下の補足を見てください。

補足 YouTube 動画が 60 Hz かつ視聴する側のブラウザーが vp9 に対応していない場合



画像は上下ともに同じ 4K 60 Hz 動画を HTML5 プレイヤーにより視聴している様子です。動画を右クリックすると表示できる詳細統計情報 (Stats for nerds) を表示させています。

上の動画は vp9 に対応した Firefox で視聴した場合で、4K の選択肢が現れており、4K で視聴している状態です。

Resolution:3840 x 2160@60
Mime Type:video/webm; codecs="vp9"
と表示されているとおり vp9 コーデックが利用されています。

下の画像は、本来 4K に対応した Google Chrome に vp9 無効化プラグイン (h264ify) を導入することで H.264 コーデックを利用して再生させているところです。1080p 60 Hz が選択肢の上限になっています。

Resolution:1920 x 1080@60
Mime Type:video/mp4; codecs="avc1.64002a"
と表示されているとおり avc (H.264) コーデックが利用されています。



確認用動画

確認用として、24 Hz、30 Hz、60 Hz の YouTube 動画を紹介いたします。すべて他人のものです。再生できるかどうか確認してみてください。

24 Hz
Foundups.com: 4K video of Tojinbo Fukui Japan - Creative Commons

30 Hz
Fire and Embers in 4K - free stock footage

60 Hz
Big Buck Bunny 1080p 60fps, 4K UHD 60fps